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おもしろすぎるぞ、暁斎!

渋谷Bunkamura ザ・ミュージアムで開催中の「This is Kyosai!」 なんじゃこりゃ!と思わず声を出しそうになりました。幕末から明治を生きた天才絵師、河鍋暁斎(かわなべ きょうさい)。その暁斎作品の世界屈指のコレクター、イスラエル・ゴールドマン氏所蔵のレアなコレクションが大挙して日本の渋谷にやってきたのです。展示会場では、隣の人も後ろの人達もなんとなくニヤニヤ、クスクス。まあ、しょっぱなから蛙に河童に猫に象と、ざくざく動物の面白い姿が目に飛び込んでくるので致し方ないこと。

掛け軸という縦長のキャンパスを存分に活かした構図に、墨で迷いなく描かれた大胆ものから、緻密で繊細なもの、さらには「これ、漫画じゃん!」といったものまで。その多彩な画力に驚きの連続。でも、どこか滑稽な要素が垣間見えて、なんだか笑いが止まらない。鴉を真正面から捉えた顔、後ろ姿も、ふくふくとして妙にかわいいらしいのです。擬人化されるもぐらやネズミ。ぽってり眠りねこの頭上に舞う写実的な蝶。一緒に行った友人達と、指さし確認しながら、ニヤリニヤリ。独特の世界観に引き込まれまくり。

みうらじゅん、水木しげる、横尾忠則! えっ、ティムバートンもだよ。みんな、影響受けてるんじゃないの?!とにかく不思議で面白い上に、カッコイイ。

鬼をやっつける鍾馗(しょうき)という神様のシリーズは、やっつけぷりがハンパない。鬼が参ってる表情がこれまた悲哀たっぷりなのです。幽霊図は下書きの葛藤とすばらしい完成図が比較できるのが興が味深い。まさに自らを「画鬼」と称した暁斎の才気を目の当たりにできます。

暁斎は、もとは「狂斎」の号で「狂」を「暁」に改めたものなんですって。そこでまた、氷室狂介あらため京介なんてことにも思いをはせちゃいました。狂気を秘めても、溢れ出ちゃってる(笑)。

春画のコーナーは入口に「子供はみちゃいけません!」的な注意書きがあったけれど、エロいのもいいじゃないか!実に面白い!他にも放屁合戦から、観音様に達磨まで、見飽きない絵がいっぱい。毎日、書いていた絵日記は、ほんとに絵を描くのが大好きな人だったんだなーと、食い入るように見てしまいました。超オリジナルなものは何百年たとうが、斬新かつ刺激的。時代をかるく飛び越えて、心を動かす暁斎のパワーは体験すべしです。

外国人の方には、5か国語対応の解説が見られるタブレットの無料レンタルサービスがありますよ。日本の天才に会えるのは、4月16日(日)迄です。


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